今から20年くらい前。
僕がまだ二十歳だったときに、書店でその本を見つけたんです。
ロバート・ハリスのエグザイルス。
衝撃的でした。
旅とか冒険とか恋とか、そういうもの全てを詰め込んだような本で、将来すすむ道が分からなくてぼんやりと生きていた僕は、その本に夢中になりました。
カッコよかったんですよね、すべてが。
日本を飛び出して世界中を旅して、いつかオーストラリアに流れ着く。
そして、そこで小さな書店を始める。
その書店には詩人とかアーティストとかギャンブラーとか街中の変な奴らがやってきて、彼らの溜まり場になっていく。
みんな好き勝手生きていて、世間のルールからはちょっと外れているけれど、毎日をエネルギッシュに生きている。
安定とか、金儲けとか、そういうことじゃなくて、ひたすら全力で人生を楽しんでいる。
僕は、そんなロバート・ハリスの生き方に憧れました。
それはもうホント心の底から。
その後23歳の時に僕はバックパックを背負ってアジアを半年以上にわたって旅をすることになるんですけど、その原点はこの本です。
彼の本のなかで、オスカー・ワイルドの一節が紹介されていて、20年経った今でも心に残っています。
オレ達はみんなドブの中にいる。
でもそこから星を眺めている奴らだっているんだ
We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars
ロバート・ハリスのエグザイルス。
10代・20代の時に読むと、ものすごく心に刺さると思います。